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女性の不調は「脱力スイッチ」で乗り切りたい【Willyセレクト! 医療・福祉のキニナル調査報告】

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巷に溢れる情報の中から、医療・福祉に関わる皆さんに有用と思われる調査報告を「Will Friends」編集人Willyがセレクト。研究の参考として、またご自身の気づきなどにつながれば幸いです。

今回は、全薬工業株式会社とEmma Sleep Japan合同会社が、HER-SELF女性の健康プロジェクト®と合同で開催した「女性の健康サミット2023」から。実施した『働く人の健康に関する調査』のうち、女性対象に行ったものを抽出し、その結果を公表。

特に、不調を抱える女性の多くが「我慢する」こと以外の対応策を講じていないことが明らかになりました。そのうえで、女性のカラダや心の不調に詳しい各専門家が、働く女性にも気軽に取り組める対策を提案しています。不規則な勤務やストレスなどでホルモンバランスが乱れ、不調を感じている看護職の皆さんは多いと思います。忙しい人ほど習慣にしたい3つの「脱力スイッチ」はきっと参考になるはず。

 

プレスリリース作成元:全薬工業株式会社

 

「働く人の健康に関する調査」の結果を公表

 全薬工業株式会社と Emma Sleep Japan 合同会社は、2023 8 月に全国の 2059 歳の男女有職者848人(男性:423人、女性:425人)を対象に、睡眠や健康に関する調査を実施。『働く人の健康に関する調査』

当該セミナーでは、女性425人を対象に行った調査結果を中心に紹介。

<調査結果サマリー>

 

✔ 「健康のために確保したい睡眠時間」と「実際の睡眠時間」には約 2 時間のギャップがあることが判明。

「健康のために確保したい睡眠時間」と「実際の睡眠時間」について伺いました。働く女性の回答結果を見ると、確保したい時間は【7時間以上8時間未満】が1位であるのに対し、実際の睡眠時間は【5時間以上6時間未満】がトップという結果に。理想と現実では約2時間も乖離(かいり)があることがわかりました。仕事に加え、家事や子育てによる影響で、理想の睡眠時間を確保できていない可能性があります。

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✔ 7割以上の女性がホルモンバランスによる不調を感じているにも関わらず、約3割近くの人がその対応策として、「我慢する」、又は「特にない」と回答。

「ホルモンバランスの影響で日常生活に支障がでることは何ですか?」の設問より、7 割以上の女性がホルモンバランスによる不調を感じていることがわかりましたが、「ホルモンバランス不調時の改善策として、とっている対応策はありますか?」と質問したところ、約 3 割近くの人が「我慢する、特にない」と回答しました。不調を感じても「我慢して乗り切ろう」という心理があることがうかがえます。

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おススメ!働く女性の不調改善策

忙しい人ほど習慣にしたい3つの「脱力スイッチ」

 ■イシハラクリニック副院長 石原新菜医師 コメント

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女性のカラダや心の不調については、主に3つの原因が考えられます。

1つ目は、「女性ならではのメカニズム」による不調です。いわゆる生理や更年期など、女性ホルモンがかかわる要因で、まさに女性ならではのお悩みになります。

2つ目は、「周囲との関わり方」「外的要因」による不調です。こちらは、職場の人間関係でストレスを抱えたり、家族の都合に振り回されて疲れてしまったりというパターンが該当します。

最後の3つ目は、「健康習慣の乱れ」による不調です。これは女性に限った話ではないですが、忙しいとつい食事や運動が後回しになり、栄養バランスの乱れや運動不足による不調の原因になります。仕事や家事、育児などをしているときは、「がんばりスイッチ」がオンになっています。「脱力スイッチ」は、その反対で、意識的に「力を抜く」「オフにする」ということです。

1つ目のスイッチは、「がまん」をやめること。調査結果でも「がまん」で乗り切っている人が一定数いるという結果が出ていましたが、女性のメカニズムを家族や職場の人に伝えて、体調が悪い時はしっかり休むことが大切です。

2つ目のスイッチは、「ムリ」をやめることです。家庭内でも、特にお母さんがイライラしてると家族にもよくないケースが多いです。自分のためにも周りのためにもハッピーでいるのが大事です。

3つ目のスイッチは、「周りに合わせる」のをやめることです。もちろん、完全には難しいかもしれませんが、特にこの年代は常に周りから振り回されがちなので、意識的に合わせるのをやめることも必要です。まだまだ多くの働く女性が「がまん」を容認していますが、「がまん」は当たり前ではないです。

今日は3つのスイッチをお伝えしましたが、それに限らず自分に合う「脱力スイッチ」を見つけてくださいね。

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■睡眠セラピスト 松本美栄氏 コメント

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睡眠と女性のホルモンバランスには密接な関係があり、睡眠サイクルが乱れることで、脳内の女性ホルモンの分泌をコントロールしている機能が低下し、生理不順などにつながりやすくもなります。睡眠は脳疲労を解消する上で非常に重要ですが、脳疲労が蓄積すると睡眠の質が低下してしまい、脳疲労を解消しにくくなってしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。

また、睡眠の量が足りないと、精神面のストレスや体力低下につながりやすく、睡眠の質が低下すると、暴飲暴食をしやすくなる傾向になり、罪悪感や体型への影響も出てくる可能性があります。

良質な睡眠をとるための対策としては様々な方法がありますが、運動でのおすすめは朝のウォーキングです。太陽の光には体内時計をリセットする役割があり、体のリズムが整う他、幸せホルモンのセロトニンも分泌されます。その他、疲れたときにはこまめに頭のマッサージや足・肩まわりのストレッチをするようにしています。

忙しい日々が続くと、交感神経から副交感神経へのスイッチの切り替えができなくなってしまい、自律神経が乱れてしまいます。「ずっと忙しい」という状態を割けるためにも「脱力スイッチ」は大切です。正しい姿勢や良質な睡眠を習慣にすることで、改善につながるのでぜひ試してみてほしいです。

 

■アンバサダー 田中亜希子氏 コメント

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自分は寝つきは良いほうだけど、昔に比べて寝起きが悪くなった気がします。しっかり寝たはずなのに、起きたら疲れていて、すっきりしない感じがして、睡眠の質が悪いのかもしれないと思いました。健康面も、更年期の始まりで、子どもは思春期(中学生と小学生)、親の介護も意識し始める年齢で、お仕事は好きだけど、やることが立て込んでくると、スケジュールに追われてしまうのは大変だと感じます。

そんな時は、月に12回ホットヨガに行くことで、自分をいたわる時間が持ててリフレッシュできます。また、先日体調を崩したときに、家族が「無理しないで」と言ってくれました。全部ちゃんとやると疲れてしまうし、「やらなきゃいけないのにできなかった」となると、メンタルにもあまり良くないです。そんなときは、例えば、ごはんを作らないなどの「ラクをする日」を決めて、「今日はみんなで出前で好きなもの頼もう!」と言ってみたり、やらない代わりに家族みんなで楽しむ方法を見つければ良いと思いました。頑張り続けるのではなく、意識的にスイッチをオフにするように心がけたいと思います。

HER-SELF女性の健康プロジェクト®について

 女性個人と、働く環境を整える企業の双方へのアプローチで、健康と経済に貢献するプロジェクトです。HER-SELFには2つの想いを込めています。

  1.  Herself =女性自身」が健康でいきいきと活躍できる世の中を作りたいという想い
  2. HER=女性個人 と、女性を取り巻く周囲の人々を表す言葉の頭文字、S.E.L.F.(S= Society(社会)E=Employer(雇用主、企業)L=Life Partner(パートナー)F=Family and Friends (家族や友人))を合わせ、さまざまなステークホルダーとのパートナーシップで女性の健康を実現していくという想い

WillFriendsでも女性の不調の改善策として以下、おすすめの記事を連載しています。

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